さあ、というわけでやって参りました。
しばらく更新してなかったと思ったら
唐突に始まるセミレンジャー篇です。
タイトルに「開幕」と書いてあるのは、
諸事情により、この日から約1週間、
ほぼ毎日セミレンジャーをするはめになったからです。
それではいきましょう。
先に書いておきますが、虫のアップとか、
ちょっとグロい写真とかいっぱい出てきますので、
覚悟してお読みください。
セミレンジャー開始
いくら日が長くなったとは言え、
さすがに真っ暗になった22時半頃に、
私と嫁隊員の2名は、要救助セミを捜索するべく
近所の公園へと向かったのでした。
途中にある川。
昼はあんなに澄んだ流れを見せる川も、
夜はやたら暗いです。
こちらも川のショット。
カメラが多少調整して明るく写してくれてますが、
肉眼ではもっと暗いです。
夜というものの驚異をあらためて感じるとともに、
照明というのもののありがたさを感じたりするわけです。
電気がなかった頃の、我々のご先祖様たちの
夜に対する恐怖はいかばかりだったでしょうか。
そんな太古の時代に思いを馳せつつ歩を進めます。
現場到着
到着して早々に見つけたのがこれ。
これはもう助かりません。
ハイエナたちにたかられまくってます。
こういうのを見る度に思うのですが、これは、
力尽きたセミの幼虫にアリがたかっているのか、
アリがセミの幼虫を殺したのか、どっちなんでしょうね。
さすがに、元気に歩いてるセミの幼虫を集団で襲って
殺してはいないと思うのですが、
もしそうであるなら、私たちセミレンジャーが、
せめてあと30分早く家を出ていれば、
こいつは助かったかもしれないということです。
ただ、だからといってこの思考を突き詰めると、
もう1日中公園を徘徊してなきゃならなくなってしまうので、
どこかで線を引くしかないのです。
それが大人というものです。
仕事で「決めの問題です」とか「どこで線を引くかの問題です」
なんて発言をすると、自分がつまらない大人になったことを
実感します。
セミと何の関係もありません。
先に進みます。
公園の舗装路でノシノシと歩く元気な幼虫さんを発見。
これが、結構でかいんですよ。
この公園は、昼夜を問わず、この舗装路の上を
ランナーさんたちが走りまくってますので、
セミの幼虫さんにとって、ここを歩くのは大変危険なのです。
要救助者と判断!
レスキューせよ!
すかさず自分の手を差し伸べる嫁隊員。
やっぱりね、暗いとよく撮れないのね、写真が。
とりあえずこの幼虫さんを、近くの木に移しに行きます。
するとその木では、先客がすでに羽化を終えているではありませんか。
いやぁ、羽化直後の白いセミは、いつ見ても幻想的で
綺麗ですよね。
フラッシュをたいて撮ると、スマホでも比較的綺麗に
撮れることを学んだ私です。
翅の透け具合もいい感じに写りました。
近くにあった抜け殻と、先ほどの要救助幼虫さん。
ちょっと角度が違うから分かりづらいですが、
この幼虫やたらでかくないですか。
どうにかこうにか、幼虫さんを木に掴まらせました。
レスキュー完了!
次に行きます。
まだまだ、無数の要救助セミが私たちを待っているのです。
てくてくと歩いておりますと、
地面にまあいることいること、
悲しいセミの亡骸たちが。
その生命を終えたアブラゼミの幼虫。
立派に生きて、子孫を残した末での死だと思いたい。
アリさんが群がっちゃって群がっちゃって、
これ全部細かくちぎって巣まで運ぶんですかね。
それはそれで、その経過をずっと見ていたい気はします。
こちら、おそらくランナーに踏まれたのであろう幼虫さん。
救助しないとこうなってしまうので、
私たちは舗装路の上の幼虫さんを助けるのです。
写真に撮ったもの以外にも、5~6匹は潰れてました。
何年も土の中にいて、羽化のために出てきたところを
潰されてしまうのはあまりに悲しい。
舗装路の上は歩かないように進化してほしいですね。
しばらく進みますと、開けた広場のようなところに出ます。
そこにはテーブルやベンチがたくさん置いてありまして、
女子高生くらいの女の子たちが4人でテーブルを囲み、
楽しげに話しておりました。
友だちと夜の公園でだべるのとか、
最高に楽しいだろうなぁなんて、ちょっとうらやましくなってしまいます。
もう、なにを話してたって楽しいですからね。
無敵の年頃ですから。
そんな無敵の女子高生たちから20メートルほど離れたところで、
セミさんが羽化してました。
バシッと撮ってやりました。
女子高生たちから不審に思われたかもしれませんが、
不審上等で撮影をするのが男気というものです。
LGBTで騒がれる昨今、男気とかいう言葉ももはやNGワードですかね。
さらに公園の外周を行きます。
またも、危なっかしく地面を歩く幼虫さんを発見!
レスキューせよー!
しかし、この辺りには手頃な木があまりありません。
少し見回すと、瀬の低い草で羽化をしてる先達がちらほら。
うーん。写真がぼける!
でも綺麗。
先ほどの幼虫さんも、丈夫そうな草に掴まらせました。
これにて、レスキュー完了!
次の要救助者を探しに向かいます。
途中途中で、すでに手遅れな者たちを発見し、
少しどんよりした気分になります。
また、セミの幼虫かと思って見ると、
Gだったりすることもあり、なかなか気が抜けません。
公園を一周したところで、さらに要救助者を発見。
冒頭の特大幼虫さんを避難させた木と同じ木に避難させました。
うむ。達者でな。
さて、冒頭で避難させた特大幼虫さんのその後はどうかと言うと
無事に羽化が始まってました。
やったー!
久しぶりにセミレンジャーとしての活動が報われた気がしました。
私たちが助けた幼虫さんは、なにかってえと不幸な結末を迎えますからね。
このままここで、羽化を最後まで見守りたい気分ではありますが、
現実問題、そうもしてられないので、断腸の思いで帰ります。
途中、公園の中に東屋がありまして、
ふと見てみると、そこはセミパラダイスでした。
この四隅の柱の表面が、なかなかグリップがよくて
セミさんも楽々掴まれる様子。
さらにアリもいないので、羽化中に襲われることもないという
好条件の物件でした。
羽化中の者。
これから羽化する者。
羽化クライマックスの者。
羽化をほぼ終えて乾き待ちの者。ぼやけまくり。
こちらも乾き待ち。
羽化中に落ちて、志半ばで逝く者。
やっぱりこういう、羽化中に落ちるっていうケースは
ままあるようで、白い成虫が中途半端に出た状態で
地面に落ちている悲しいセミたちを嫌というほど目的することになります。
このように、こちらの東屋はセミの羽化にとって
大変よいコンディションが揃っている模様。
今後、保護した幼虫たちはここに避難させればいいや、
とか思っていたのですが、現実にはそうもいかなかったりします。
なぜなら、夜に来ても、なにかというと
カブトムシ採りに来た子連れファミリーやら、
友だちと青春真っ只中の高校生やらが
この東屋を使っているからです。
そんなところに、幼虫を持ってノシノシと
近づく度胸は私たちにはなかったのです。
ちなみにこの東屋、カマキリの卵も
あちこちに産み付けられてました。
すごい。セミパラダイスであると同時に、カマキリパラダイスでもあるのです。
この東屋は今まであまり気にしてませんでしたが、
今後は要チェックです。
木の上のほうで羽化しているセミ。
夜に遠くのものを撮るのは、もうスマホだと絶望的。
今宵はスーパームーンだとかで、試しにスマホで撮ってみましたが。
もうなんか、太陽みたいに写っちゃう。
月を撮るってのはなかなか難しいですよね。
帰路
今年初のセミレンジャー活動を終え、
家へと向かっていると
私「カマさんや!」
すかさず撮影。
お、こっちのほうが写りがいいですね。
マンションの出入り口っぽいところの壁に居ました。
というわけで、2時間くらいセミレンジャーをしてみたのですが、
個人的には
「あれ? もう終わり?
セミレンジャーってこんなもんだっけ?」
という感じ。
前回、ビデオカメラで羽化の様子を
一晩中撮影するなんてことをしてしまったせいで、
ただセミを助けて公園内を徘徊するだけだと、
どうしてもスケールダウン感が否めませんね。
↓前回
でも、毎回スケールアップしていくときりがないので、
とりあえず今年の開幕戦はこんなもんで。