よれよれ将軍のよれよれ日記

日常のことをよれよれと書く日記です。

桜玉吉さんについて勝手に語る

勝手に語る

先日、桜玉吉さんの新刊、日々我人間3巻を買いました。

私は基本的に、桜玉吉さんの新刊が出たら

もう条件反射で買う身体になっています。

桜玉吉さんの熱烈なファンなのかと問われると

よくわからないのですが、なんだか読まずにはいられない

そんな感じです。

今回はそんな私が、桜玉吉さんについて勝手に語ろうと思います。

 

そもそも、皆さんは桜玉吉さんをご存知でしょうか。

私と同年代(2023年現在で40代くらい)か少し上のかたであれば、

結構ご存知のかたが多いのではないでしょうか。

桜玉吉という名前を知らなかったとしても、

1986年~1994年にかけてファミ通に掲載されていた

しあわせのかたち」という漫画をご記憶のかたは

多いことと思います。

桜玉吉さんは、しあわせのかたちの作者です。

 

しあわせのかたち

しあわせのかたちは、幼い頃の私に

いろいろと影響を与えました

1986年~1994年というと、私が7~15歳ですか。

そのくらいの時分に読む漫画の影響って大きいですよね。

しあわせのかたちは、ファミ通に載ってたくらいなので、

当時のゲームに絡めたネタが多く、

子供の私は毎回とても楽しんで読んでました。

当時、ゲームをネタにした漫画ってそんなになかったですから。

あとはドラクエ4コマくらいでしょうか。

 

そしてたまにゲームとは関係ない、

怪談めいた話が描かれることもあり、

しあわせのかたちが、私の怪談好きの一因になっていると思います。

自動販売機でジュースを買ったら、

小さい指がたくさん生えた手が落ちてきた話なんかは、

ビジュアルの衝撃もすごく、小学生時代の私には

だいぶインパクトがありました。

 

また、さらにゲームとは関係ない、

作者の日常的な話が描かれることもあり、

青空を見上げた際に、視界の中で細かいものが

わらわらと動いている現象のことを

「ミジンコピンピン現象」と名付けてました。

その影響で、兄と二人で

「あ、ミジンコピンピン現象が起きてる!」

とかよく言ってたものです。

 

1990年には、サンサーラナーガというゲームが発売され、

そのキャラデザインを桜玉吉さんがやっていました。

当時からすでに玉吉ワールドにどっぷりだった私は、

桜玉吉さんがキャラデザインをしてるから」

という理由だけでサンサーラナーガを買った記憶があります。

「おまえ」そっくりの主人公や、

「ムキちゃん」そっくりの敵キャラが出るというだけで

なんだかわくわくしたものです。

当時の私にとっては、ゲーム自体も面白かった記憶があります。

竜を連れて歩いて、倒した敵キャラを餌として

食べさせながら竜を育てるゲームなんですよね。

今ネットで見ると、結構難度が高いというか、

ストーリーがめちゃくちゃだったり理不尽だったり

という評価を受けてるようですが、

当時の私はあまり疑問にも思わず普通にプレイして

クリアした気がします。

多分、今はもうできないでしょうけど。

 

ちなみにその後に発売された

サンサーラナーガ2ももちろん買いましたし、

クリアしました。

 

異質な日常

冒頭であんなことを書いた私ですが、

中学くらいからあまりファミ通を買わなくなったのか、

実は、しあわせのかたちがいつどのように終わったのかを

あまり記憶してませんでした。

少し経ってから単行本を買って

「あ、こんな終わり方だったんだ」

と思った記憶があります。

 

そして、しあわせのかたち以降、

しばらくは桜玉吉さんの漫画は読んでませんでした。

そもそもどこで漫画を描いてるのかも知りませんでしたし、

調べることもしませんでした。

当時はまだインターネットがあるわけでもなし、

漫画といえばジャンプやマガジンに載っているもの

くらいしか知らないというか、

そこくらいしか情報源がないというのが大きかったと思います。

実際、しあわせのかたちも、

ファミ通に載っていなかったら

出会うことはなかったでしょう。

 

だいぶ月日は流れ、嫁と出会って色々話してみると、

実は嫁もしあわせのかたちにどっぷりはまっていた者の

ひとりで、ちょりそのぶさんとメールでやり取りした

こともあるとかなんとか。

嫁は、私なんかよりしっかり桜玉吉ファンをしていて、

しあわせのかたち以降の単行本も色々と買ってました。

 

私はそこで、しあわせのかたちより後の

桜玉吉さんの漫画に触れることになり、

「防衛漫玉日記」を読んで、

あらためて玉吉ワールドの深淵に

引き込まれたのでした。

防衛漫玉日記は、桜玉吉さんと、

当時のアスキーの編集関係の人物である

ヒロポンことヒロセ氏や、

O村こと奥村勝彦氏がいろんな企画を立て

(船舶免許を取りに行ったり、旅行に行ったり)

その様子を漫画にしているという内容で、

多少の非日常感はありながらも、

防衛漫玉"日記"というくらいなので、

日々の日常的なことを描いた漫画です。

ただ、日常的なことを描いているはずが、

登場人物たちの行動が若干(だいぶ)常軌を逸していて、

自分が居る世界とはまた違う世界の日常を覗いている、

そんな気分にさせられます。

 

その常軌の逸しぶりをお伝えするために

ちょっとだけコマを載せます。

(怒られたら消します)

 

防衛漫玉日記 2巻 35ページより抜粋

前後のシチュエーションは省きますが、

前後にどんなシチュエーションがあろうと、

普通の人間の日常で、こんなことは発生しないじゃないですか。

 

幽玄漫玉日記(※)1巻 78ページより抜粋

※防衛漫玉日記の後のシリーズ
(右から左に読んでください)

作中では、このヒロポンがだいぶイカれた描かれ方をしていて、

これが果たしてどこまで本当なのかわからないのですが、

登場人物たちの行動や言動がいちいちおかしくて、

この人たちの行動から目が離せなくなるというか、

なんだかこれが段々癖になっていきます。

また、ヒロポンはセリフの最後に、そのセリフに関連した

特殊な一言を言う設定になっており、

上図の右コマで言ってる「共同主観性~」がそれです。

こういったものがほぼすべてのセリフの最後についていて、

これが会話に独特の狂気を生み出しています。

この「日常の中の狂気」「異質な日常」こそが

桜玉吉ワールドの真骨頂だと私は思っておりまして、

この人たちの掛け合いを

いつまでも見ていたい、そんな気にさせられるのです。

 

伊豆

防衛漫玉日記~幽玄漫玉日記~御緩(おゆるり)漫玉日記にかけて

桜玉吉さんもヒロポンもメンタルを病んでしまったりして、

地獄のような日々になっていきながら、

限界が来ては漫画をやめ、

体調の回復とともに漫画が再開し、

というのを繰り返し、後半は狂気度が増していきます。

御緩漫玉日記が終わったところで、

私個人としてはひとつの時代が終わった感があります。

 

その後、桜玉吉さんは漫画喫茶を仕事場にするようになり、

漫画喫茶に住んでいるも同然の生活になっていたさなか、

店内で3.11の地震を経験し、それがきっかけとなって、

少し生活が変わっていったりします。

(ちなみに、日々我人間の3巻を読んだあとに、

 過去の玉吉さん作品をあらためて読み返しまして、

 上述の、玉吉さんが漫画喫茶店内で3.11の地震を経験した

 お話を読んだのが、奇しくも2023年3月11日でした)

 

桜玉吉さんは、やがて伊豆の一軒家に引っ越し、

ムカデや自然と戦う日常を描くようになります。

この辺が描かれているのが、

日々我人間や、伊豆漫玉系シリーズです。

 

あの頃のワチャワチャ感をもう一度

現在の伊豆シリーズも、

今現在の玉吉さんの姿としてはいいのですが、

やはり個人的にはヒロポンやO村さんと

ワチャワチャやってた頃の、

防衛~幽玄漫玉日記(前半)あたりの空気が好きで、

またあの三人で集まってバカなことを

やってくれないかなと夢見ています。

 

というわけで、これを見て少しでも

「面白そう」だと感じたかたは、

桜玉吉さんの本を全部買ってください。

迷ったら、防衛漫玉日記を買ってください。

それで気に入ったら、残り全部買ってください。

 

我、桜玉吉を応援する者也