よれよれ将軍のよれよれ日記

日常のことをよれよれと書く日記です。

逆流性食道炎の手術を受けました その3

逆流性食道炎の手術を受けました その1

逆流性食道炎の手術を受けました その2

今回は、手術前日から、術後数日にかけて書きます。

まず、手術内容について軽く触れます。

気になる人はこちら

見てもらった方がちゃんとイラスト付きで

詳細に載ってるので良いです。

すげえ雑に書くと下記です。

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◆腹腔鏡手術

 ・お腹の5箇所に穴を空ける

 ・5箇所の穴から、カメラと器具を突っ込んで

  中の様子をモニタで見ながら手術する

 ・開腹しないので、負担が少ない

◆食道裂孔ヘルニア/胃食道逆流症を治す

 ・横隔膜の上に飛び出た胃を、

  引っ張って下に戻す

 ・食道裂孔(横隔膜の穴)を縫って狭くする

  これで胃が上に出なくなる

 ・胃の上部を折りたたんで縫い付ける

  噴門付近に弁のようなものが形成され

  逆流を防ぐ

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なので、手術とは言っても、

本当に小さな穴が5つ空くだけで、

通常3日の入院で済みます。

では、手術前夜の話。

と言っても、

前日についてはあまり書くことは無く、

この日は会社を休み、

18時くらいに晩御飯を済ませて翌日に備えました。

夜には、食道の痛みが襲ってきて、

まるで逆流性食道炎

別れを惜しむかのようでした。

さようなら、僕の方は君に一切未練は無いよ。

さて、手術当日の朝です。もちろん朝食は抜きです。

手術中の脱水症状を防ぐため、

8:30までに「経口補水液 OS-1」を

多めに飲んでくるよう言われていたので、

さらっと1L飲んでおきました。

入院のための身支度は全て嫁任せです。

しかも病院までは

兄が車で送ってくれると言うではありませんか!

とんだVIP待遇です。

なんだか母親も同行するそうです。

逆流性食道炎ごときでそんな大袈裟な、

と思わなくもありません。

病院には、9:45までに着けばOKです。

道が混んでることも想定して

早めに家を出たら、

想定よりも大分早く、

9:00過ぎくらいに着いてしまいました。

病院に着いて軽く受付を済ませると、

すぐに病室に通されました。

四谷メディカルキューブは、病室は全て個室です。

トイレもシャワーも各個室に付いており、

ちょっとした快適空間です。この個室内で生活の全てが事足ります。

私、入院はこれが初めてなんですが、

入院と言えば、夜中にトイレに行きたくなると、

自分の病室を出て暗い廊下を進み、

闇の中に非常口のランプが浮かび、

自動販売機の灯りが誰も居ないロビーを照らしている……

みたいなシチュエーションを想像して

若干楽しみにしていたんですが、

幸か不幸か、今回それは体験できそうにありません。

病室内で改めて、看護師さんから本日の流れや、

術後の症状や注意事項等について說明を受けます。

10時半頃に、手術前の血液検査をするべく、

病室を出て検査室へ。

いつものように採血をし、

採血後にはいよいよ手術準備に入ります。

手術室へと向かう扉を開け、

奥に進んでいくと更衣室があり、

そこで手術着に着替えます。

同時に、足の血行を促進するための靴下を装着。

私は足が太いので着用に苦労するかと思いましたが、

意外とすんなり履けました。

着替えてから結構待ち時間があり、

何だかんだで1時間弱くらい待った気がします。

11:50頃に更衣室を出て手術室に向かいます。

手術台に乗り、全身麻酔を開始され

「すぐに意識がなくなりますからね」

という声を最後に、私の意識が途切れました。

なんだか、暗闇の中で意識が漂っているような感覚があり、

あれ、起きたほうが良いのかな?

でもすごく眠いな

なんてことを思い、

起きようとするもののすぐに

意識が遠のく、

でも起きなきゃいけないような気がして焦る、

このまま寝たら死ぬんじゃないかという

謎の恐怖心に苛まれ、必死に眠気と戦う、

なんてことが自分の意識内では起こってました。

実際の時間にして

どれくらいの長さだったのか分かりませんが、

ようやく薄っすらを目を開けると、

隣に嫁が居てなんだかすごく安心しました。

その後も寝たり起きたりを繰り返したと思います。

術後1時間半くらいで

ようやく意識がはっきりとしてきました。

意識がはっきりすると、

なんだか息苦しいことに気づきます。

息があまり吸えません。

「なんだこの息苦しさは! これがずっと続くのか!?」

と、これまたちょっとした恐怖に襲われました。

おそらくなんですが、

お腹にも麻酔を射たれているため、

腹筋に力が入らず、

そしてお腹には脂肪がたっぷり乗ってるせいで、

脂肪を持ち上げて呼吸をするだけの力が

発揮されなかったのではないかと思います。

術後数時間は、この呼吸のしづらさが一番のストレスでした。

術後2時間後くらいに、

執刀医の先生が病室に来て経過観察をし、

「しっかり縫っておきましたから」

と力強いお言葉を残して去っていきました。

さて、開腹はしてないものの、

私のお腹には5つの穴が空いているわけで、

お腹を捻ったり伸ばしたりすると痛みます。

なので、あまり寝返りも打てず、

ひたすら仰向けで寝るんですが、

段々と背中やら尻やらが痛くなってくるのと、

肩と背中がこります。

近年稀に見るコリでした。

でも、ストレッチもマッサージもできず、

こりを我慢してひたすら横になり続けるしかない、

これがまた中々のストレス。

これが数時間続くだけで発狂しそうです。

と思いつつも、耐えるしかないので

ひたすら時間の経過を祈ります。

初日の夜は、物を食べられないため、

ずっと点滴で過ごしました。

しばらくは起きてトイレにも行けず、

尿は尿瓶で済ませました。

尿瓶を初めて使いましたが、

あの形状にはちゃんと意味があるんですね。

考え抜かれたフォルムでした。

全身麻酔が抜けてくると、

起き上がれるようになります。

起きてみると、呼吸がしやすくてびっくり。

やっぱりね。お腹の肉がね。

重力ってすごいですね。

起き上がれるようになれば、

自分でトイレに行けるようにもなります。

トイレに行く際には、

点滴の器具を押していきます。

すごい重病人になった気分。

しかしまあ、水分摂取量が少ないもんで、

尿が濃い!

私、普段は1日に数リットルの水を飲むので、

基本的に尿の色が薄いんですよね。トイレに行く回数も多いです。

さあ、21時には消灯です。

なんせ病院ですからね。

21時に寝られるわけねえだろ、と思いつつも、

どうにかしなければなりません。

でも、どうにもならないので、

起きて本を読んでました。

ちなみに、読んでいた本は

代謝ガイドブック (初歩からのメディカル)」

です。

筋トレマニアたるもの、

代謝の構造を知っておかなければいけないのです。

この本は良書らしいですが、

若干古いので、

最新の理論とはまた違う点はあるんだと思います。

って、どうでも良いですね。

22時頃に巡回に来た看護師さんに

「もしどうしても眠れないようでしたら、

 点滴に睡眠導入剤を入れることもできますから、

 できたら24時くらいまでに言ってくださいね」

と言われました。

23時を回っても一向に眠れる気配が無かったので、

ナースコールを押し、

「すみません。眠れそうにありません」

と告げたところ、看護師さんがやってきて、

睡眠導入剤をセットしてくれました。

その後20分くらい経っても全然眠れず、

睡眠導入剤効かないじゃん、

と思っていたらいつの間にか寝てました。

こうして、息苦しさとコリに

悩まされた初日は過ぎていきました。

二日目。

なんとか朝まで寝られました。

起きるとやっぱり肩や背中のコリが酷いです。

うーん、ストレッチしたい、

と思うものの、

少しでもお腹が伸びたり、腹筋に力が入ったりすると

腹が裂けるような痛みが襲ってくるので、

何もできません。

この、コリに対して何も手を打てないというのが

何だかんだで一番のストレスでした。

起きてるとコリの不快感と

真っ向勝負しなければいけないので

なるべく寝るようにします。

でも、寝ようとしてもコリの不快感で

中々寝られない。

もう早く殺してくれ!

命の是非について考えていると

お昼ご飯が運ばれてきました。

術後、初めての食事です。

20170702_hiru.jpg

完全なる流動食です。

一応メニューもあります。

20170702_hirumenu.jpg

文字通り、飲むように平らげました。

実は、この食事がちゃんと

胃まで落ちていくかどうかが

重要なところなんです。

上述のように、この手術では

食道裂孔を縫って狭めているので、

これが狭すぎると

食べ物が胃まで入っていきません。

これが広すぎると

また逆流してしまいます。

なので、

食べ物が胃には入るけど逆流しない、

というちょうどいい加減で

狭めなければいけないそうで、

中々調節が難しそうです。

狭すぎて、食べ物が胃に

入っていかない場合は、

食道あたりに不快感が続き

最終的には吐いてしまうらしいです。

さらに、手術後は、

縫ったところが腫れて膨張するので、

噴門が必要以上に狭くなる傾向にあり、

しばらく(約1ヶ月)は食事に気をつける必要があります。

大きいままの固形物を飲み込んでしまうと、

噴門で引っかかってしまい

取れなくなるケースがあるそうです。

そういうケースが過去に数件あると言ってました。

その場合は、病院に駆け込んで取ってもらうしかないそうで、

なかなかおおごと。

長々書きましたが、

とりあえず私は

初回の昼ご飯は普通に食べられました。

そして、試しに昼ご飯後に

横になってみました。

すごーい。逆流しなーい。

素晴らしい。

物を食べて横になっても

逆流しない日が来るなんて。

と、密かに感動しました。

入院中は、そんなにすることが

あるわけではないので

基本的には暇です。

が、この日も嫁や兄家族が

見舞いにきてくれたので、

あまり退屈せずに済みました。

夜ご飯は昼よりも少しだけ固形成分があります。

20170702_yoru.jpg

完全な液体だけよりは、少しだけ満足感が

あるような気がします。

20170702_yorumenu.jpg

これまたあっという間に完食。

この後は、またコリと戦いながら

翌日を待つだけです。

この日は比較的あっさり寝られた気がします。

3日目。

予定通り行けば退院の日です。

朝ご飯出ます。

20170703_asa.jpg

また、少しまともな食事に近づいた気がします。

20170703_asamenu.jpg

簡単な検査や、

傷口が膿んでないか等をチェックし、

特に問題無しということで

無事退院できました。

ようやく我が家に帰れました。

そして我が家に帰ってきても、

最低でも1ヶ月は食事に注意。

なるべく柔らかいもの、

繊維が少ないものを食べます。

卵が便利ですね。

卵は、柔らかいし、料理のバリエーションが利くし、

栄養もありますし。

もちろん、タンパク質もね!

問題なのは、

肉の塊が食べられないことです。

肉を食べたい場合は、

ひき肉ならOKっぽいです。

ハンバーグやつくねがいいですね。

でも、そんなに肉も大量に食えなそうなので、

タンパク質が不足しちゃう!

というわけで、ここはやはりプロテイン

頼らざるを得ないわけです。

ちゃんと医師に

「術後にプロテインは飲んでも大丈夫ですか?」

と聞いて、

「大丈夫です」

という返答はもらっているので安心です。

家に帰ってからも、

食後にすぐ横になってみたりして、

逆流しないことを確認して

楽しんでました。

これまでの癖で、

食後に横になることに

ちょっとした忌避感があったのですが、

これが少しずつ無くなっていったら

いいなあと思います。

こうして私は、

逆流しない生活を手に入れたのです。

そう……あの日までは。