先日オクトパストラベラーをプレイしていた際に、
ちょっと考えさせられたことについてご紹介したいと思います。
それはアーフェン編の冒頭の物語です。
アーフェンには、親友の薬師ゼフがいます。
そのゼフの妹ニナが、何かに咬まれて毒を注入されたようで
さあ大変というところから話は動き始めます。
このセリフを見る限り、ニナの身体のどこかに、
生き物の牙の痕、せいぜい直径1~2ミリの穴が
ぷつっと複数個空いてるのかなということが想像できます。
さて、ニナは一体何に咬まれたのでしょうか。
村で聞き込み調査をすると、
ニナが咬まれた瞬間を見ていた者がいました。
以下、聞き込み調査の内容。
アーフェン:
ニナの脚に、咬み痕があるんだ
なんか知らねえかな?
なんとかしてやりてえが
薬師も神様じゃなくてな
何に咬まれたかわからなきゃ
ニナを助けられねえ
リリー:
……!
アーフェン:
頼む……
教えてくれねえか
リリー:
ニナが、お兄さんのために
ミズフラシの花を摘みたいって……
そしたら……
大きな……ヘビが……
アーフェン:
……!
どんなヘビだった?
黒いやつか? それとも青かったか?
リリー:
いいえ……
アーフェン
まさか……
背中にまだら模様があったか?
リリー:
ええ……
アーフェン:
なんてこった……
マンダラヘビ、か……
リリー:
ごめんなさい……
子供は行っちゃいけない場所なのに
というわけで、
ニナは脚をマンダラヘビに咬まれたことが分かりました。
血清を作るにはマンダラヘビの毒が必要なので、
東の洞窟に行ってマンダラヘビをぶちのめしましょう、
というのがことのあらましです。
良いですね。王道RPGっぽくて大変良いと思います。
さて、東の洞窟に行きましょう。
洞窟の最奥まで行くと、ミズフラシの花が咲き乱れる
ちょっとした広場がありました。
ここでいよいよマンダラヘビとの対面です。
でけえええええ!
いやいやいやいや、でかすぎないですかね。
ちなみに戦闘画面だとこんな感じ。
こんなもんに脚を咬まれたら、
「何かに咬まれたような痕がある」どころじゃ済まないと思うんです。
直径10~20センチくらいの風穴が空いててもおかしくないですよ。
毒以前に外傷で死んじゃう。
リリーは「子供は行っちゃいけない場所なのに」と言ってましたが、
大人も行っちゃ駄目でしょう。こんな化物が居るんですもの。
そして、ヘビの種類を同定するために、色やら背中の模様やらに言及してましたが、
「体長が50mはありそうなでかいヘビです」
と言ってくれれば一発じゃないですかね。
と、色んなところに破綻を感じてしまうのですが、
ここでちょっと考えてみましょう。
この破綻は、私達の世界の常識と照らし合わせるから生まれるのです。
この世界の常識に照らし合わせれば、何ら破綻が無いとしたら、
これは一体どういうことなのか。
仮説1:ニナは応急処置を受けていた説
咬まれた直後、ニナの身体には巨大な風穴が空いていたものの、
誰かの応急処置により傷はほぼふさがっていたとする説です。
なんせ、薬を飲むんだか塗るんだかすれば、
一瞬で傷が治る世界ですからね。
応急処置により、外傷を瞬時に治すこと自体は不可能ではないでしょう。
っていうか、死んだ人間すら薬で生き返る世界なので、
毒で死んでも生き返らせりゃ良いんじゃないかという気もしますが、
生き返りのアイテムは選ばれた人間にしか効果を発揮しない等の
制約があるのでしょうきっと。
話が逸れましたが、誰かが応急処置をした線は薄いです。
その根拠は、この村に薬師はゼフとアーフェンしかおらず、
そのどちらも応急処置はしていないと思われるからです。
このセリフを見てみましょう。
ゼフがもう治療をしたのなら、
「何かに咬まれたような痕があった」
と過去形にしているのが自然でしょう。
そして、アーフェンが傷ついたニナを見たのは
この時が初めてなので、事前に治療はしていません。
さすらいの薬師(or 魔法使い)が偶然通りかかって治療した可能性もありますが、
リリーの証言にそのような者の存在は出てきません。
なので、この説は却下。
仮説2:ニナは甘咬みされただけで済んだ説
ヘビ側がどういう意図を持っていたのかを
確認する術がありませんが、本当に優しくぷつっと噛んだ説です。
おかげで、牙の先端がちょこっとだけ刺さって、
外傷自体は酷くならずに済んだのです。
別の可能性として、ニナが咬まれた瞬間、マンダラヘビの牙が
ニナの脚に1~2ミリ食い込んだその刹那に、
ニナが忍びのごとき身のこなしで逃れたという考えもありますが、
その場合、ひっかき傷のような痕が残る可能性が高く、
今回の状況に即しないと思われます。
もう一つの可能性としては、マンダラヘビの牙が
ニナの脚に1~2ミリ食い込んだその刹那に、
ニナがマンダラヘビの顎を腕力でこじ開けたために、
牙が深く喰い込むには至らなかったという線は考えられます。
こうすれば傷自体は浅く、何かに咬まれたような痕は残ると思います。
ただその場合、リリーの証言にそれが出てきそうなものですが、
特に言及されていないので確証が得られません。
できることなら、私がゲーム内に入って、
リリーをもっと探りたいところなんですが、
残念ながら私にそのようなスキルは無いのです。
また、ニナに、マンダラヘビの顎をこじ開けるような真似ができるのか、
という問題がありますが、
これに関しては
「この世界の人間は基本的に強い」
という可能性が考えられます。
そう考える根拠としては、
まず、アーフェンがマンダラヘビと対峙した時に、
一切怯むことも、動揺することも無かったことが挙げられます。
だって、ひたすら勉強して薬学を学んできただけの男が、
あのサイズのヘビを見てびびらないんですよ。
この世界の人間にとって、あの程度のヘビはそこまでの脅威ではないのかも知れません。
リリーの証言が、「マダラ模様のヘビに咬まれちゃった。てへ」くらいの内容にしかなっておらず、
ヘビ自体の恐ろしさや脅威についてあまり触れられてないのも
この説を補強する材料と言えなくもありません。
そして「子供は行っちゃいけない場所」という言葉から、
やはり、大人なら行っても良いという解釈ができます。
普通の大人ならそこまで危険じゃないのです。
でも、誰かが「東の洞窟は危険だぞ!」みたいなこと言ってましたけどね。
話が逸れまくりましたが、
この、咬まれたには咬まれたけど、
傷自体は浅かった説は、あり得ないことはないと思います。
仮説3:マンダラヘビはいっぱい居る説
マンダラヘビにも大小様々な個体がおり、
ニナは小さめの個体に咬まれた、とする説です。
アーフェンが対峙したマンダラヘビと、
ニナを噛んだマンダラヘビが同じ個体とは限らないということです。
地味ながら一番有り得そうな説だと思います。
だって、1匹しか居なかったら繁殖もできないですし。
この世界のヘビは1匹でも繁殖できるのかも知れませんが。
この説なら、リリーの証言があの程度の内容になっていることにも違和感がありません。
リリーは一応「大きなヘビが」と言ってますが、
体長1mでも、リリーが大きいと感じたら大きいですからね。
むしろ、体長50mのヘビであれば「大きなヘビ」という表現には収まらないのが
普通だと思います。
ただ、リリーは子供らしいので、語彙が少ない可能性もありますし、
私の言う「普通」はやはり現実世界の「普通」なので、あてにならないかも知れません。
ただ、この説の問題点として、
アーフェンがあの巨大なマンダラヘビを見た時に、
その巨大さについて特に触れていなかった違和感が挙げられます。
大小様々な個体が居るのであれば、
あのサイズの個体に出会った時に
「特大サイズが出てきたな」
くらいの感想が有っても良さそうなところですが、
特にそういったセリフはありませんでした。
ニナのことで必死で、それどころじゃなかったのかも知れませんが。
それを考えると、仮説2と3の複合説という可能性が高いのかも知れません。
仮説4:マンダラヘビの実サイズは小さい説
これは、マンダラヘビの迫力を表現するために
巨大であるかのように描かれているだけで、
実はそんなに大きくないという、身も蓋もない説です。
人間:モンスターが、常に原寸比で描かれているわけではないのです。
あまり考える余地もないので、この説はもう良いや。
というわけで、いい加減長いのでもうやめておきます。
オクトパストラベラーが大好きな人が考察を書いてみた!
みたいな感じでなんだか気恥ずかしいのですが、
私は、5人目の仲間としてこのアーフェンをパーティに入れた辺りで
心が折れてハイラルの世界に戻ってしまった負け犬なので、
真っ当なオクトパストラベラーファンは真っ当な考察を読んでください。
ちなみに、プレイ中に上述のようなことが頭の中で渦巻いてしまい、
プレイに集中できなかったとか、そういうわけじゃありません。
ただ、ハイラルが眩しすぎたんです。
でも、ゲームをやめた理由が
「ヘビが……でかかったから」
だったら、ちょっと詩的で良いなあとか思う
そんな私は来年40歳です。
※ブログ内で貼られてる画像は私のプレイのSSではありません。