この記事は、腹身に命をかけた、ある夫婦の物語である。
なんて、ドキュメンタリー風に始めてみたわけですが、
今日はちょっと、腹身大作戦について語りたいと思います。
まず、私はスシローが大好きです。
そして、この季節のスシローといえば、
寒ぶりが美味いのですよ。
(やや赤みを足して、美味しそうな色合いにしております)
そして、スシロー通の皆さんなら、ご存知かと思いますが、
レーン上に、たまに「ぶり腹身」が流れてくることがあるのです。
ぶり腹身は、パネルから注文することはできない、
幻の逸品であり、出会えるかどうかは、運次第。
一期一会なのです。
今日(3/2)、私と嫁は、このぶり腹身をがっつり食べるために、
腹身大作戦を決行することに、相成ったわけでございます。
そんなもん、普通にスシロー行って、流れてくるのを
待ってれば良いんじゃないの?
なんて思ってる、そこのあなた!
甘い! 甘海老より甘いです。
そんなに甘いなら、私が食べてしまいましょうか!
ぶりの腹身は、超人気なのです。
たまに3皿くらい流れてきては、
強者達の手によって、あっという間に取り尽くされてしまい
弱者の手には渡りません。
腹身を食すためには、
自らが強者になるしかないのです。
素人の皆さんに分かりやすく書くと、
ぶっちゃけ、調理場に近い席に座れるかどうか、が
勝負を決めるのです。
私の行きつけのスシローは、土日祝は、10:30オープンなので、
少し早めに家を出て、決戦に備えます。
基本的には、早めに案内された方が、
有利な席に座れるのです。
愛車である、ゴキブリ色のシエンタを駆り、
スシローに到着したのは、10:20、悪くない時間です。
しかし、店の前には、すでに開店を待つ先客の姿が!
そこそこご年配の男性2名。
顔に刻まれた年輪から、ベテランのオーラが滲み出ています。
「くっ、まさか、こやつらも、腹身狙いなのか」
と、目に映る人間、全員を敵視してしまうナイフのような私。
ベテラン二人の後ろにも、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた、若夫婦が。
「ま、まさか、この赤子ですら、腹身を狙っているというのか!」
と、冷静に考えれば、寿司など食べられないであろう赤子にまで、
敵意を向けてしまう、太刀魚のような私。
開店までの10分間、緊張感を絶やさぬよう、
Kindleで「御緩 漫玉日記」を読んで、待ちます。
10:30、店のドアが開きます。
ここが、この作戦の成否を決める、
まさに天王山と言っても過言ではない瞬間です。
さて、ここで、スシローに対して、
大して熱意も無い、普通の皆様のために
簡単な図解を用意しました。
四角 = テーブル席
矢印 = レーンと、その向き
もうお分かりかと思いますが、
数字が若いテーブルほど、
レーン上の皿に、優先的に手を出すことができます。
しかし、問題なのは、店の都合で、
客を案内する際に、下記のような順番
1 2 3 4 8 7 6 5
で、埋めていくケースが多いということです。
今日、私達の前に居たのは、
ベテラン2名と、赤子連れ若夫婦の2組。
私達は、3組目です。
順当に行けば、私達のテーブルは3番です。
しかし、ここで運が、私達に味方をしました。
2組目の若夫婦さんが、
ベビーカーの置き場所の都合で、
8番に通されたのです。
これにより、私達は、2番のテーブルに着くことに成功しました。
さあ、テーブルに着き、
「まずは普通の寒ぶりで小手調べと行こうじゃないか」
と、注文パネルを操作する私達の前に、
とんでもない光景が!!
メニューの中に、「寒ぶり」が無い!
「はまち」になっている!
そうか。今日はもう3月。
おそらく、寒ぶりを名乗れるのは2月までなのでしょう。
作戦の根底を揺るがす自体に直面した我々の取った行動は、
でも、まあいいか、と、はまちを頼むことでした。
出てきたはまちを食べてみると、美味い!
っていうか、これ寒ぶりじゃん。
先週喰った寒ぶりと、完全に同じ味がします。
この冬、毎週スシローに来てる私が言うんですから、
間違いありません。
寒ぶりの時は、ぶり腹身が、たまに出てきたんですが、
はまち腹身も出てくるんだろうか、と疑問を感じつつも、
はまちを食し続けます。
これは、私達の勝手な推測なのですが、
普通のぶりをたくさん出す(レーンに流す)ほど、
調理場でぶりのサク的なものが処理されていき、
腹身部分は、普通のぶりとしては出さずに
取ってあるんだと思うんです。
で、一定量の腹身が貯まると
腹身がレーンに放出されるのかなと。
もしかしたら、調理場の人が気分で流してるだけかも知れませんが。
とにかく、私達は、自分達の持論を信じ、
作戦を遂行します。
上記の仮説が正しければ、
ぶりが、はまちに変わったところで、
はまちを食べ続けていれば
腹身は流れてくるはずです。
店内での作戦開始から、30分ほど経過した時、
ついに来ました。
はまち腹身です。
どうですか!
これが1皿100円ですよ。
3皿流れてきたのを、全部取りました。
取れなかった方々には申し訳ありませんが、
これが勝負の世界なのです。
しかし、この日は、いつもと違っていたのです。
なんだか、知りませんが、10分おきくらいに、
腹身がばんばん流れてきまして、
さすがにもう喰えない、パス、ってなるまで
腹身を食べることができました。
身も蓋もない書き方をすると、
別に、早く来る必要はなかった、
ということです。
最終的には、はまちとはまち腹身とで、
大体20皿喰いました。
先週まで、私達にとって
スシローは寒ぶり屋さんだったのですが、
今週からは、はまち屋さんになりました。
というわけで、
ただ、ちょっと早めにスシローに行って
腹身を喰っただけの話を、
ここまで長く書いてやりました。
最後にさらにぶっちゃけると、
腹身は、言うほど人気でもないことも多く、
普通にレーンを何周もしてることもある、
幻の逸品でもなんでもないネタです。
私は大好きですけどね。