よれよれ将軍のよれよれ日記

日常のことをよれよれと書く日記です。

恐怖の抜歯

2012年1月の話です。

そう、もう1年前の話なんですが今更書きます。

 

ことの始まりは、右上の奥歯のさらに奥の

歯茎に少し傷が付いたような状態になって、

それが中々治らなかったことです。

 

傷が付いてるだけならまだしも、

歯磨きをしてみるとそこから臭い汁(膿?)が

出てきたりして色々と不安になったので

歯医者に行きました。

 

 

仕事を抜けだして、会社近くの歯医者へ。

診察の結果

「親知らずが変な角度で生えてきちゃってる。

 抜かないと駄目だね。

 うちでも抜歯できないことはないんだけど、

 少し大掛かりな手術(?)になると思うから、

 設備が整ってる大きい病院で抜歯した方が良いよ。

 紹介状書くから。」

ってことで、私は東京医科歯科大学宛の

紹介状をもらったのでございます。

 

正直、親知らずを抜くという事態は少し怖かったです。

だって、世の中の体験談を見ると

・すごく痛い

・とにかく痛い

・痛くて眠れない

・顔が腫れる

みたいな話ばっかりなんですもの。

顔が腫れるのは別に良いけど、痛いのは嫌です。

でも抜かなきゃいかんらしいので、行ってきましたよ。ええ。

 

抜歯当日、東京医科歯科大学付属の歯科医院処置室へ。

私の担当は綺麗な女性歯科医のOさんでした。

患者が座るための椅子(あのリクライニング機能付きの椅子)が

10台くらい並んでたでしょうか。

その中程の椅子に通されました。

 

椅子に座った私は、やはり少し落ち着かず

キョロキョロと辺りを見回してました。

椅子同士はカーテンで区切られているため、

隣の患者さんは見えません。

が、私の目はあるものを捉えたのです。

それは、私の右側、仕切りカーテンの下の隙間から見えた、

隣の患者が流したのであろう大量の血痕です。

「うわぁ、スプラッタだなぁ……」

と思っていると、歯科医のOさんが

「あ、すみません。ちょっと汚れちゃってて。うふふふ。」

と血痕を拭き取ります。

いやいやいやいや、怖いから。

最後の うふふふ は何だよ。

 

そんなこんなで抜歯が始まります。

歯茎に麻酔を打たれ、年貢の納め時です。

まずは歯茎に覆われた親知らずを露にするために、

ニッパーのような器具で歯茎を切り刻んでいきます。

リンゴを齧った時のような

ガシュ!ガシュ!という音が聞こえます。

麻酔が効いてるので痛くはないんですが、

振動は確かに伝わってきて、

少しだけ気持ち悪い感じ。

 

歯茎が切り開かれ、親知らずが姿を現したところで、

メインイベントの抜歯作業に入ります。

ここで金属のヘラのような器具が登場。

上顎の骨と親知らずの間にこの器具を突っ込み、

テコの原理で親知らずを押し出す感じで抜歯するみたいです。

私はてっきり、もっといかした近代的な装置で

抜歯をしてくれるのかと思ってたんですが、

テコの原理で押し出すとかちょっと原始的!

 

しかしここで問題発生。

Oさんがその器具を何度も差し込んでは失敗、

のような動作を繰り返しています。

一頻り失敗したOさんは言いました。

「上顎の骨が厚すぎて器具が入らないので、ちょっと骨を削りますね」

 

ええ!マジで!

歯を削るならまだしも、骨を削るとか更に怖いんすけど。

Oさんは先ほどの器具を彫刻刀の様に使って

骨を削る作戦を採るようです。

器具の先端を上顎の骨に当て、もう片方の先端に木槌を振り下ろして骨を削ります。

これがまた振動がすごいんですよ。

コッ!コッ!コッ!コッ!コッ!

って。

 

しかし、これまたOさんの表情が芳しくない。

「ん~、ちょっと待っててくださいね。」

と言うと席を離れ、男性の歯科医(以下Aさん)を仲間に引き連れて再登場しました。

 

そして二人で私の口内を見ながら、

Oさん「ここなんだけど、骨隆起がすごくて……」

Aさん「ああ、削らないと厳しいね」

みたいな会話をした後、新たな兵器を持って来ました。

 

歯医者でよく見る、歯を削るマシーンありますよね。

先端の刃(?)を交換できるドリルみたいな奴。

あれの巨大版が現れました。

歯を削るマシーンと比べて二回りくらいでかかったです。

 

Oさん「こちらの機械で骨を削っていきますね^^」

 

ウィーーーーン(ガリガリガリガリ

ウィーーーーン(ガリガリガリガリ

ウィーーーーン(ガリガリガリガリ

 

表情の晴れない歯科医二人が再度話し始めます。

 

担当医「もっと大きい奴(ドリル)無いの?」

A「いや、これが最大……」

担当医「あれ?もっと大きいの無かったっけ?そっかぁ。」

 

ウィーーーーン(ガリガリガリガリ

ウィーーーーン(ガリガリガリガリ

 

少し困ったような表情のまま私の骨を削ってきます。

 

Oさん「そろそろ良いかな?」

と、ヘラ状の器具を突っ込みます。

ミシミシ…ミシ

Oさん「……抜けましたーー!」

晴れやかな笑顔が眩しい。

 

ということで無事抜歯終了。

ズタズタになった歯茎を縫合してもらい、

今日の手術は完了です。

 

術後の注意として

・今後1~2週間、患部やそのまわりが痛む場合がある

・今回だいぶ骨を削ったので、

 顔が腫れたり、首に内出血ができたりする場合がある

・今回抜歯した歯がかなり上部にあって、副鼻腔部分に穴が空いた可能性がある

 そこから細菌が入ると別の感染症を起こす場合があるので注意

 息を強く吹いたりしないように。うがいも弱く

 

こんな感じのことを言われました。

2週間後くらいに抜糸(縫合したからね)です。

抜糸までの2週間は、いつ痛みが襲ってくるかと

戦々恐々としてましたが、痛みはほぼ無かったです。

ああ、良かった良かった。

 

2週間後、抜糸のために再度、東京医科歯科大学へ。

担当医が私の首の左側にある痣を見て

「ああ、だいぶ内出血が出ちゃって……、

 あれ?でも抜いたのは右側ですよね?」

私「あ、これは大丈夫です。」

 

とよく分からない返答をしてしまいました。

すみませんすみません。

これはヴァイオリンの跡なんです。

 

というわけで、抜糸も無事終わり、

恐怖の抜歯体験は完了したのでした。