汗っかきな皆さん。お元気ですか。
今日も汗かいてますか。
私はかいてます。
そんなウェッティな皆さん。
ヴァイオリン演奏に関して問題を抱えてませんか?
私は抱えてました。いや、今も抱えてるのかも知れません。
ブログのタイトル部分にも書いてあるように、
私は特に手汗が酷いんです。
何かあるとすぐにびしょびしょです。
スーパーの袋詰をするところで
濡れ布巾なんて不要!ってくらい手が湿ってます。
今日はそんな、手が湿地帯状態の同胞達へ、
自分が実践している汗対策をご紹介したいと思います。
一応最初に書いておきますが、
まだまだ研究途中ですし、独断と偏見が山盛りです。
全てを鵜呑みにしない程度の大人な心で読んでください。
では始めましょう。
まず、汗によって問題が発生する箇所を考えます。
簡単です。
ヴァイオリンと体が触れるところです。
パッと思いつくのは
1.ネック、指板、弦
2.楽器の肩口(ハイポジションを弾く時に左手が触れる部分)
3.エンドピン付近の横板&裏板(弾く時に首や鎖骨に触れる部分)
4.顎当て
5.弓(右手が触れる部分)
こんなところでしょうか。
演奏の際に上記以外の場所に触れてる人は
そうそう居ないはずです。
一応、ペグやアジャスターにも触れますが、
そこで汗問題が発生することは無いと思うので割愛。
というわけで、各部位ごとの対策を見ていきましょう。
====================================
1.ネック、指板、弦
====================================
初っ端から申し訳ないですが、自分はここで特に対策をしてません。
っていうか、汗の影響でネックや指板に問題が出ることってあるか?
と改めて考えたら、一個ありました!
親指が滑ることです。
特に本番の時なんて、手は湿地帯を通りこして洪水状態なので、
親指がヌルヌル滑って大変。ヌル山です。
でもこれは、自分の左手のフォームにも原因がある気がします。
自分は肩当てをせずに、左手の親指で楽器を支えるスタイルで弾いてます。
さらに親指をかなりスクロールの方に向けてます。
一般的には正しくないフォームだと思いますが、
もうこれ以外のフォームで弾くの無理。マジで無理。
そしてこのフォームの場合、
親指が汗で滑るようになってくると
かなり安定感が無くなります。
自業自得です。
良い子の皆さんはちゃんとしたフォームで弾いてると思いますし、
肩当てもしてると思いますので、
この問題には直面しないはず。
というわけで、ネックや指板で悩んでる人はほぼ居ないという結論にします。
弦についてですが、問題点は多分2つ。
1つは、弦が汗を吸ってどんどん湿っていき、
劣化が早まるんじゃないか?という心配が付きまとうこと。
実際に劣化が早まるのかは知りませんが、
こればっかりは「気にしない」しかありません。
さすがに、左手の指に何か被せるわけにもいかないので、
弦に汗が付いてしまうことは不可避の現実として受け入れましょう。
受け入れることから全ては始まります。
できることがあるとすれば、
練習後にちゃんとクロスで弦を拭くことくらいです。
2つ目の問題は、「弦が錆びやすくなる」です。
この問題を回避するのはある意味簡単です。
その方法は、「毎日弾くこと」です。
私の経験上、弾いた後に2~3日放置すると弦が錆び始める気がします。
触った時にザラザラな感触になるんですよね。
なので毎日弾いてください。
奴らに錆びる間を与えるな!!
実際に私は、最近は毎日弾いてるので錆知らずです。
毎日弾けないにしても、毎日クロスで弦を拭くだけでも
良いかも知れません。
何か最初から雲行きが怪しいですが、
次からはもうちょっとまともになります。多分。
====================================
2.楽器の肩口
====================================
ここ!ここが私が最初に問題にぶち当たったところです。
ちなみに場所はここです。
ハイポジションを弾く時に左手の手のひらが当たる場所です。
ここのニスが剥げるんですよ!
普通の人が弾いてても、ここのニスは時間と共に
剥がれていくと思いますが、
手汗が酷い私の手にかかれば
ニスが無くなって木が剥き出しになるまで2ヵ月とかかりません。
そして、ニスが剥がれた部分に、
汗だくの手でベタベタ触っていると、
楽器本体の木が湿っていき、
楽器に悪影響を与えます。
由々しき事態です。
「ニスを塗り直せば良いじゃん」と言われるかも知れませんが、
ニス塗り直しで楽器屋さんに修理を願いすると、
数日~1週間くらい楽器を預けなければなりません。
2ヵ月ごとに1週間も楽器預けるなんて
ローテーションを組むのは御免です。
何とかしなければ!
この問題を回避するために私が発明したのがこれです!
ただの軍手じゃん、とかいう輩は死刑。
これによって左手の汗問題は大幅に改善されるのです。
ちなみにこれは、
軍手の指部分を切り、さらに人差し指と中指の付け根部分を
切り取って作ります。
人差し指と中指の付け根部分を大きく切り取る理由は、
軍手をしている時としてない時とで
演奏の感覚になるべく差が生じないようにするためです。
自分はローポジションを弾く時には、
人差し指の付け根と親指の間に
ネックを軽く挟むようなフォームになります。
なので、人差し指付け根部分に軍手の生地が残っていると、
軍手の有無によって感覚に差が生じてしまうのです。
実際にネックを握るとこんな感じ。
なので、人差し指の付け根がネックに触らないフォームの人は、
ここを切り取る必要は無いと思います。
左手の手汗に悩んでいる方にお薦めしたい一品です。
欠点もあります。
それは、合奏練習の時などにこれを装備していると
「左手を怪我してるの?」
と無駄な心配をされたり、
「それ何?」
と直球な質問をされたりすることです。
「これをしてないと、ニスが剥がれちゃうんですよ」
という返答を何度したことか。
自分以外にこんなの装備している人を見たことが無いので、
練習時にはとにかく浮きます。
それは覚悟してください。
でも、これさえ装備していれば、
楽器も保護できて、
ニス塗りの頻度も下がって(出費も減るよ!)
良いことづくめなので、
多少の浮きを気にしない強い心を持ってください。
手汗ニストの矜持が試される時です。
====================================
3.楽器の裏板&横板
====================================
これは、結構最近になって私が直面した問題です。
私は演奏時には当て布をしてます。
ある日、練習が終わって楽器を首から離したら、
当て布が楽器に貼り付いた状態になりました。
おや?と思い、当て布を引っ張ってみると、
シャリシャリ(心情的にはぺりぺり)っという音がして
布が楽器からはがれました。
はがれた跡を見ると、ニスがザラザラになっていて、
ところどころに布の繊維が貼り付いてました。
これはちょっと悲しかったです。
当て布に浸透した汗と体温で
ニスが溶けるのか分かりませんが、
早急な対応が必要です!
楽器屋さんと色々相談させて頂いた結果、
体に当たる場所に革を設置する、という方法に落ち着きました。
こんな感じで、顎当ての金具に革を挟み込んでます。
汗をそうそう通しそうになくて、且つ薄い革がお薦めです。
この革を挟み込んでから、
裏板&横板のニス溶け問題は解決しました。
ただ、楽器の裏面を見ると、
何となくノリ弁を連想してしまう欠点があります。
====================================
4.顎当て
====================================
基本的に、顎当ては多少濡れても大丈夫だと思ってます。
楽器本体じゃありませんし。
なので、対策としては
「演奏時に当て布を使用する」くらいで充分だと思います。
と、簡単に終了。
====================================
5.弓
====================================
これが意外と問題なんですよ。
汗で弓がどうこうなんて話、
普通の人はあまり聞かないかも知れませんが、
私くらいの手アマゾンになってくると色々あるんです。
弓の右手が触れる部分が濡れることで起きる問題は下記3点。
・製作者の銘が消える
・木が腐るんじゃないかという不安
・木とフロッグの間の金属部分が錆びる(緑青が発生する)
実は上記1点目は楽器屋さんから指摘されました。
メンテナンスに持っていった際に、
銘が消えかかった弓にびっくりされました。
これらの問題点は、
「弓の右手が触れる部分にセロハンを巻く」という方法によって
ほぼ解決しました。
写真だと分かりづらいかも知れませんが、セロハン貼ってます。
汗でふやけてるのか、歪んできたのか、ちょっとシワシワになってます。
セロハンを巻くことで、弓の持ち心地が多少変わりますが、そこは妥協してください。
ちなみに、セロハンも定期的に巻き直しが必要です。
ただ、セロハンを巻いても
緑青の発生を完全には防げないので、
自分でこまめに掃除するようにしましょう。
自分でやるのが怖い人は楽器屋さんへGO!
無理はしないでね!
====================================
以上です。
いかがでしたでしょうか。
この記事が、ウェッティなヴァイオリニストさん達への
一助となれば幸いです。
いっそのこと、手の汗腺を切ってしまおうかと思った時期もありましたが、
今のところは上記の対策によって踏みとどまることができています。