私も、世の中の歯車の一つとして、
毎朝通勤するわけでございます。
私という歯車が、きっちり噛み合って役に立ってるのかはさておき、
噛み合う噛み合わないにかかわらず、朝はやってくるのです。
今朝、会社に向かうべく山手線の先頭車両に乗りましたら、
車両の中に(おそらく)中学生の集団が居たのです。
その中学生達は、1クラス全員で移動中という感じで、
かなりの数おりまして、
おそらく40人前後は居たと思います。
先頭車両の前方4分の1くらいは中学生達で埋め尽くされておりました。
私は「修学旅行かな?」などと考えつつ、
中学生どもの若さを憎々しく感じ、
友人たちと本当に楽しそうに話す彼らに羨望を覚え、
若さの毒気にあてられながら電車に揺られておりました。
そんな山手線が新宿に着いたのです。
ドアが開くも、中学生達は完全にドア前を集団で陣取っていて、
まったくよける気がありません。
降りようとする人が彼らを押すものの、
彼らは口々に
「おお」
「これはきつい」
などと言いながら、混雑している電車を楽しむように談笑するばかりです。
友人達と一緒に、これだけの群れをなしていれば、
自分達が無敵だと思ってしまうのも無理はないでしょう。
彼らは子どもなのですから。
しかし、朝の新宿でこれはいけません。
朝の新宿に、こんな子どもたちを笑って許せるような
余裕のある大人は居ないのです。
ここは、死んだ魚の目をした企業戦士達が、
怒り、ストレス、鬱屈、絶望を抱えながら、
それぞれの死地へと旅立つ、いわば地獄の一丁目なのです。
怒りのサラリーマン達が、ドア方向へと強烈なプレッシャーをかけ始め、
あっという間にその力は臨界点を超え、
中学生の内の数人は押し倒され、数人はドアの外に弾き飛ばされました。
先程までヘラヘラと談笑していた彼らも、すっかり引いています。
何人かは怪我しちゃったんじゃないかっていうくらいの勢いだったので、
ちょっと心配ですが、まあこれも社会勉強ですかね。
っていうか、電車に乗るときのマナーくらい、事前にちゃんと教えてあげてほしいです。
教えたけど、精神的に無敵になってしまった
彼らがそれを無視したのであれば仕方ないですが。
朝の新宿の一幕でございました。
一番言いたいことは、
私も中学生くらいに戻りたい、ということです。
でも、今の精神を持ったまま子どもに戻っても、
精神的無敵にはもうなれないので、地味につらいかもしれないとも思います。
そんな妄想に支えられながら、私は今日も歯車として回るのです。